【1歳児クラスの担任と保護者必見!】かみつきについて。
こんにちは。現役保育士リリーです。
新年度が始まり、2か月が経ちますね。
私のクラスの子ども達(1歳児)も、すっかり園生活に慣れ、たくさん笑顔がみられるようになってきました。
1歳児クラスの子ども達が園に慣れてきて、これからでてくる保育者を悩ませる問題。
それはかみつきです。
これまで色々な園をみてきましたが、1歳児クラスでは必ずでてくる問題です。
初めてお子さんを保育園に預ける方は特に、自分の子どもが他の子に噛まれて帰ってきて、不安になるかと思います。
保育士になりたての方も、かみつきが起きてしまうことで、止められなかった自分を責めたり、”ストレスがたまって噛みついちゃうのかな”などと、自分の保育がいけないのかなど、悩まれてしまうのではないでしょうか。
私がそうでした。
もちろんかみつきは未然に防ぐべきですが、その背景になにがあったのか、かみつきとはなぜ起きるのかがまだよくわからず、迎えにきた保護者に平謝りだった頃もありました。
1歳児クラスを受けもち、子どもの発達とその姿から、なぜかみつきが起こるのかがみえてきました。
今年初めて1歳をもった新米保育士さん、1歳児クラスに入園進級したお父さんお母さんには、保育園で起こるかみつきについて知っていただきたいです。
●1歳~1歳半のかみつきには理由はないことがほとんどです。
前歯、奥歯が生え始め、むずがゆさから玩具を噛む姿がおうちでもみられるのではないでしょうか。
目の前にあったお友達の腕を、玩具を噛む感覚で噛んでしまうことは珍しくありません。
もちろん保育者は、それを未然に予測し、他児の口の前に子どもの腕や手があったら、どけてあげる配慮は必要です。
しかし、保育園は集団生活。
噛みつきは一瞬のできごとです。
例えば5回そういう場面があったとして、4回止められても、1回噛まれてしまうこともあるんです。
神経を研ぎ澄まして、4回止めても、一瞬目を離した隙に噛まれてしまった時の絶望感・・・。
1歳児担任なら、経験ある方多いのではないでしょうか。
あとよくあることと言えば、お友達の口が気になって人差し指を相手の口にもっていってしまう。
相手の子も、反射的にパクリ。
・・・・うぇーーーーーん!!!!
こんな光景も、1歳児担任経験4年間の中で、何度かありました。
噛んでしまった子も「??」状態。
そうだよね。
だって、口に指入ったら、閉じてしまうよね。
そうだよね。
お友達の口気になるよね。
どちらの気持ちもわかります。
これが、1歳~1歳半には起きる噛みつきです。
●1歳半~2歳までのかみつきには理由があります。
1歳半を過ぎると自我が芽生えてきます。
”これは私が使ってたおもちゃ!”
”自分でやりたいの!”
”わたしはここであそびたいの!!”
など、自分はこうしたいんだという強い思いがでてきます。
その思いと思いがぶつかりあった時に、かみつきは起こりやすくなります。
言葉には個人差がありますが、この時期の子どもは、まだ言葉だけで物事を解決することが難しく、つい口や手が出てしまうことがあるんです。
保育者は、個々の成長を知ることで、未然にかみつきやひっかきが防げるように、子どもの様子によって、そばに寄り添い、手や口が出てしまいそうな時には、防ぐと同時に、思いを受け止めてあげることが必要です。
1人遊びがメインだった子が、この時期になり、友達と遊ぶ楽しさを知り、かかわりが多くなってきます。
同じことをして楽しんだり、徐々に玩具を介して一緒に遊ぶ楽しさも知っていきます。
かかわりが多くなればなるほど、必然的にトラブルも増えます。
大切なのは、噛ませないことではなく、”なぜ噛んでしまったのか”を保育者が汲み取り、噛んだ子、噛まれた子の気持ちを受け止め、どちらの気持ちも相手に代弁してあげることだと思います。
徐々に言葉が話せるようになり、自分の気持ちを言葉で表現できるようになってくると、かみつきのトラブルが減っていくのです。
保護者の方に知っていただきたいことは、保育者はかみつきが起きないよう、常に必死で子ども達をみていること。
怪我をさせないで帰すことが、保育ではないこととは思いながらも、続いてしまうと、そりゃ保護者は心配になりますよね。
自分の知らないところで起きている怪我なのでなおさらです。
私たち保育士は”子どもの最善の利益”を大切に、日々保育をしています。
同年代の子どもとのかかわりの中で、一緒に遊ぶ楽しさや、気持ちのぶつかりあいの中で、相手の気持ちを知っていきます。
遊びの中で、沢山体を動かし、どんな風に自分の身体を使うのかを知っていきます。
保育士をして、子ども達の成長をみて今感じることは、怪我をすることは、子どものこれからの成長にとって、大きな利益になるんだなということです。
とはいえ、私も初めての甥っ子が転んでおでこに大きな擦り傷を作った時に、心配でたまらなくなりました(^^;)
母親である妹には「元気に遊んだ証拠だよ」と言われましたが。
そんな甥っ子はもう小学5年生ですが、傷はすっかりなくなっています。
●かみつきが起きた時はどうすればいい?
かみつきが起きてしまった場合には、すぐに、噛まれた箇所を流水で5分程冷やします。
噛まれた箇所に菌が入ってしまわないようにです。
保育士さんによっては、揉む方もいらっしゃるようですが、内出血が起きていることもあるので、揉むのは厳禁です。
流水で流したあとは、冷やしタオルや氷のうなどで冷やします。
傷の手当も大切ですが、同時に、噛まれてしまった子、噛んでしまった子への対応も必要です。
例えば、玩具の取り合いでかみつきが起きてしまった場合、噛まれてしまった子には、
「噛まれて痛かったね。〇〇ちゃん、おもちゃ使ってたんだって。今度は「かして」って言おうね」と言葉に出して気持ちに寄り添ってあげたいですね。
噛んでしまった子にも、「おもちゃ使いたかったんだね。でも噛むと痛いから「つかってるよ」って言おうね」などと、噛んでしまった理由を受け止めながらも、噛むことはいけないことなどだ、またどうすればよかったのかを伝えます。
●噛まれてしまった子の保護者への伝え方
かみつきがあった場合、噛まれてしまった子への保護者へ、伝えなくてはなりません。
ただ「お友達に噛まれてしまって・・・。すみませんでした」だけだと、なぜ噛まれたのか理由がわからず、保護者としても不安になるかと思います。
なぜそのかみつきが起きてしまったのか、その背景を伝えると同時に、その時の子どもの様子や、起きたあとのケガの処置、子どもへの対応など、細かに伝えることで、保護者の方の理解も得やすいと思います。
私の園では、年度初めの保護者会で、事前に1歳児のかみつきについて起こりえる事例などをあげながら、1歳児の発達を理解してもらっています。
もちろん繰り返されるかみつきは、保護者の不安につながると思うので、普段から子どもの様子を伝えるようにして、かみつきが起きた時にも、保護者が園での子どもの様子から理解をしてもらえるように、心がけています。
●まとめ
集団生活の中では、様々なことが起こります。
大切なのは、その背景を知ること。
また子どもの発達を知ることで、その時、どう対応すればいいのか考えることができると思います。
怪我が起きないように、子どもを守ることも大切ですが、怪我をさせないだけの保育にならないように、成長を見守っていきたいですね。